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心理社会的発達理論(Erikson's stages of psychosocial development)は、エリク・エリクソン(Erikson,E.H.)が、ジークムント・フロイト(Freud,S.)の心理性的発達段階を拡張し、人生の各段階ごとに特徴的な発達課題があり、これらが肯定的に解決された場合と否定的に解決された場合のパーソナリティの構成要素を対にして示した理論。

心理社会的発達課題 編集

乳児期 編集

  • 基本的信頼 対 不信
  • 受けた養育の質によって幼児は、環境を信頼し、それを秩序ある予測可能なものとみなすことを学習したり、逆に混沌とした予測不可能なものとして疑い、恐れ、不信感をいだくことを学習する。
  • 重要な対人関係:母(母性的人間)

幼児前期 編集

  • 自律性 対 恥・疑惑
  • 運動能力・精神能力の発達や、探求や操作をする機械から、自律・適応・自己統制の感覚が出現。過度に批判したり、行動を制限すると、猜疑心や疑惑の感覚を生み出させることになる。
  • 重要な対人関係:長身的人間

幼児後期 編集

  • 積極性 対 罪悪感
  • 子供の自発的な知的活動や運動活動に、両親がどのように対するかによって、自由や自発性の感覚が生じたり、逆に罪悪感や大人の世界へのバカげた侵入者といった感じが生じる。
  • 重要な対人関係:核家族人間

児童期 編集

  • 勤勉性(生産性) 対 劣等感
  • 物事がどのように働き、操作されなければならないのかということに感心を持ち、規則、体制化、秩序化などの勤勉性が生まれる。しかし、結果がついてこないと劣等感が出てくることもある。
  • 重要な対人関係:近隣、学校内の人間

青年期 編集

  • 同一性 対 同一性拡散
  • この時期、物事に対してさまざまな見方をするようになり、他者の観点から物事を見ることが出来るようになる。さらに、さまざまな役割を演じつつ他者と異なる一貫した、そして受容できる自分自身のアイデンティティという統合された感覚を発達させる。
  • 「自分は何者か」、「自分の目指す道は何か」、「自分の人生の目的は何か」、「自分の存在意義は何か」など、自己を社会の中に位置づける問いに対し、肯定的かつ確信的に回答できることがアイデンティティの確立を示す重要な要素である。
  • この逆がアイデンティティの拡散であり、これは自己が混乱し、自己の社会的位置付けを見失った状態を意味する。「負の同一性」―「スピード狂」とか「暴れ者」とかいった社会的に受容されない役割―を作り上げることになる。
  • 重要な対人関係:仲間グループ、リーダーシップモデル

成人前期 編集

  • 親密性 対 孤立
  • 他者と接触しようとすることによって、親密感(他者に対する性的、情緒的、道徳的なコミットメント)が生じたり、親密な人間関係から孤独感が生じたりする。
  • 重要な対人関係:友情における相手意識、異性、競争・協力相手

成人後期 編集

  • 生殖性(世代性) 対 停滞性
  • この段階では生活経験の関心が、自分自身から家族や社会、次世代へと広がっていく。このような将来への志向が発達しないと、自分の物的所有や身体的健康のことだけに関心を持つようになる。
  • 重要な対人関係:家族

老年期 編集

  • 統合 対 絶望
  • この生涯最後の段階で、今までの全てを振り返り、未知なる死を思う。それまでの各段階で行なった結果として、統合性をもって楽しむことが出来る。しかし、生涯が不満足で誤ったものであったことを見出す人が直面するのは絶望である。そのような人は、怒りをもって振り返るにも、希望を持って前を見るのにも遅すぎ、一生を切望のすすり泣きで終える。
  • 重要な対人関係:人類、私のようなもの