心理学
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愛着(attachment)とは、特定の対象に対する特別の情緒的結びつきのことをいう。

乳児は生後6、7カ月になると、他人が部屋を出て行っても平気なのに、母親が部屋を出て行くと泣いたり、ぐずったりする。また赤ん坊が泣いている時、他人がいくらあやしても泣きやまないのに、母親が抱きかかえると直ぐに泣きやむ、という行動を示すようになる。これは、乳児が母親という特定の対象に対して特別の感情を抱くようになったことを意味する。

ジョン・ボウルビィ(Bowlby,J.)以前は、母子の結び付きは、本能的な生理欲求の充足を目的とした二次的動因に基づく「依存」とされていた。しかし、ボウルビィは「依存」に否定的な響きが含まれること、ごく少数の区別された人との情緒的関係が満たされていないこと、生得的な生物学的な機能と見なされていないことから、「愛着」という概念を打ち出し「依存」を包括した。

愛着の測定方法としては、メアリー・エインズワース(Ainsworth,M.D.S.)らが開発したストレンジ・シチュエーション法が広く用いられる。

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